【勝者のセッティング】WGC-HSBCチャンピオンズ

自分仕様のプロトタイプを使い、風の中で自在に球を操った

2017.10.31 8:55
ジャスティン・ローズが使う『P730 ローズ・プロト』 Photo by PGA TOUR

PGAツアー第5戦 WGC-HSBCチャンピオンズ/中国 シーシャン・インターナショナルGC

 ジャスティン・ローズがWGC-HSBCチャンピオンズでPGAツアー史上3番目に大きな差からという、最終ラウンドでの8ストローク差を逆転しての優勝を果たした。この歴史的なラウンドを作ったのは5バーディを取って「31」だったバックナイン。特に、トップの座をつかんだ16番、17番の連続バーディは圧巻だった。

 ローズにとって、この勝利の大きなファクターとなったショット・オブ・ザ・ウィークは17番パー3でやってきた。そこでテーラーメイド『P730』、“ローズ・プロト”と呼ばれるモデルの5番をローズは握った。真正面から吹いてくる風の中、放った糸を引くようなティショットは吹き付ける風を切り裂き、ホールから90センチのところについた。そして、タップイン・バーディ。

「あのときは、時速10マイルの風(秒速約4.5メートル)の中でどうプレーすればいいのかというか、10マイルの風の影響はこんなものだってことを測りに行くような感覚だった。ボクたちの5番アイアンがパーフェクトな選択だったということだね」と、ローズは語った。「あそこでは風の上へ上り切るような弾道が必要があることは分かっていた。5番アイアンがそれをやり遂げたというよりは、風に任せたおかげで風がそれをやってくれたというべきかな」

 ローズはテーラーメイド『P730』の制作において、重要な役割を果たしている。このモデルは、このメーカーにとって2014年に発表された『ツアープリファードMB』以降、初めてのトラディショナルなマッスルバック・アイアンだ。形状についてみれば、ブレード・スタイルらしく小振りで、シンプルで美しく、はっきりとした輪郭をもったモデルである。特に、7番から9番への流れにおいてそれは顕著だ。

 重心位置は垂直方向にわずかに高められながら、水平方向には動かされていない。これは、ブレードの長さを短くしつつ、バックフェースに“ミルド・チャネル”をつけてブレードの中央から重量を散らした効果である。

 さらに、ローズは中国に来てパターを替えている。テーラーメイドの『TP Red Chaska』から同社の『TP Red Ardmore 2』に替えた。“ウイングバック”形状で、ジェイソン・デイも前週まで使っていたモデルである。バックフェースのウイングはストロークの安定性を向上させ、6061アルミニウムとポリマーのピュアロール・フェースインサートがソフトな打感をもたらすと同時に、45度のミゾが順回転を生み、滑る動きを減じている。